石匠風間ブログ

深谷から箴言

 
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『君の膵臓を食べたい』住野よる

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内容紹介
偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた秘密の日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。

病を患う彼女にさえ平等につきつけられる残酷な現実。【名前のない僕】と【日常のない彼女】が紡ぐ、終わりから始まる物語。
全ての予想を裏切る結末まで、一気読み必至!


これが存外に面白かった。
映画化もされよく売れてるみたいで、買わずとも貸してくれた。でなきゃ恋愛小説を手に取ることはないのだけど。

不治の病と高校生活ってのは、ありがちな設定だなあと少し斜に構えて読んでたのだけど、文章がなかなか巧みで楽しませてくれるし、一気読みはしなかったがしたくなる気持ちもわかるというもの。

「こんなませた高校生いねーよ」とか毒づきながら、それでもキャラの魅力に抗えず読み進んでクライマックス泣かせどころ、泣かせようと企んで書いてるよなと思いながらもわかっていてもきっちり泣かされますw

この物語は文章の力を存分に発揮した小説だと思います、映画化しても面白くなるか疑問。
やはり文章の秘めた力って想定外の影響力を持っているのではないか、と素直に感じた一冊です。

また久々にA.I.

先日BSで映画『マトリックス』を久しぶりに見ました。
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20年前の映画、さすがにそろそろ古さが臭ってきましたが、あの映画はアメリカンコミックのような「かっこよさ」を楽しむものであって、こんがらがって複雑なストーリーは結構どうでもいいのです。
いや、どうでもいいというより「機械対人間」設定自体が古さを感じるのかな。

以前にも書いたけど、もしA.I.が世界を支配するならあんな下手なしつらえにはしないってことです。
人類が何を求め何を嫌い、どういう状況で反旗を翻すか、なんてことはA.I.には自明の理でしょう。だったら人類のプライドを傷つけず心理的に満足させながら上手に管理するなんてことは朝飯前では。

というかそもそも支配なんてするのか?
支配欲とか出世欲、いわゆる欲望って人間独自のものであってそれまで機械に当てはめるのは擬人化しすぎじゃないか。

ぼくは人間とA.I.の融合が進んでいくのみと思ってます。
科学の進歩、文明の発展は人間のピュアな欲望が原点となっているわけで、機械たちはたとえ意識を持ったとしてもそこは冷静に、無の境地で与えられたあるいは生み出されたコマンドを淡々とこなしていく、ってな感じ。

実際現代人のスマホ依存の姿って融合の始まりじゃないかな。
知識・記憶をスマホなど外部に任せることで確実に我々自身の知見・記憶力は衰えていってるし、今後もっと進むでしょう。やがてスマホのような形ある媒体じゃなくナノボットのような目に見えないA.Iに取って代わられ、指一本動かさずにコミュニケーションも検索も学習もできるようになるのでは。

高度に政治的な判断だってすでにA.I.のほうが優れてるのでは無いかと思います、というかもう任せてるかもしれないしね。

いま、世界中の科学者・権威者などがA.Iの脅威を訴えています。人類の宝と言われるS.ホーキング博士なども言っているからもしかしたらそれは正しいのかもしれない、けど今更A.Iなしの生活に戻れないわけだしね、その前に環境破壊など喫緊の課題山積状態でA.Iの開発やめろって言われても無理があるってものだと思うのです。

『闇が落ちる前に、もう一度』山本弘

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内容(「BOOK」データベースより)
この宇宙はどうして生まれたのか?宇宙の果てはどうなっているのか?“宇宙の本当の姿”を追い求め、ある独創的な理論に到達した宇宙物理学者。しかしこの理論に従うと、宇宙の寿命はわずか17日間ほどでしかなくなる。バカバカしいまでの理論の誤りを証明するために、彼は大がかりな実験を始めたのだが…。表題作のほか4編を収録。



そして本格派SF&ホラー。やっぱこれ!というSFを書いてくれるのが山本弘。

なにが本格なのか、SFに求めるもの人によって個人差の大きい議論だろうが、ぼく個人は「難しすぎず、出鱈目すぎず」というバランスの良さ、それでいてストーリーとしての意外性とか盛り込んであって充実感を味わえるわけです。

様々な現代宇宙物理の仮説などをベースにしてるから読み終わってもしばらく考えてみたりして、それは一様ではない広がりを持った読書の楽しみとも言えるのでは。

SFだけでなくホラーにおいても想像力豊かな展開、普段読まない人でも読みやすいのじゃないかと思います。
あるいはガチなSFファンには物足りないのかな?

なんとなく昭和の臭いもする本作、ぼくはこれくらいがいいなと。
グレッグ・イーガンのような最先端だと若干ついてけない感が残っていけない、こうして最先端を噛み砕いて表現してくれるような作家はありがたいということです。

今年の定演!

今年も深谷シティ・フィルハーモニー管弦楽団、定期演奏会を予定しております。
日時:10/22(日)13:30~
場所:深谷文化会館大ホール
内容は以下のとおり。

1.スッペ『軽騎兵序曲』

小学校で習うから大抵ご存知だと思います。軽快で完結でとっつきやすさNo.1です。

2.プロコフィエフ 交響的物語『ピーターと狼』

これもテーマフレーズは聴いたことあるでしょう。物語をナレーションしてる合間に音楽が情景を奏でます。子供向けクラシックかな。効果音みたいな演奏が多いので簡単そうに聴こえて弾く方はなかなか難しいです。オーケストラ演奏のが見つからなかったのでMidi演奏です。

3.ドボルザーク 交響曲第8番

とりあえずわかりやすい第3楽章を載せました。惜しいですね個人的には「第9番」つまり「新世界より」を押したのですが、過去に演奏済みってことで8番になりました。知らなかったけど地味に名曲です。まあドボルザークなんでハズレはないですね。

以上のラインナップ、プラスアンコール曲でお送りします。
クラシックの生演奏って、深谷じゃなかなか経験できないでしょ、お時間あったら是非。
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『アキラとあきら』池井戸潤

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内容(「BOOK」データベースより)

零細工場の息子・山崎瑛と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬。生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まった―。感動の青春巨篇。



久々池井戸潤、Wowwowでドラマ化されるタイミングで読みました。
題名からしてジェフリー・アーチャーの『ケインとアベル』みたいな、あるいは司馬遼太郎の『項羽と劉邦』みたいな背景の違う似たもの同士が熾烈な戦いを繰り広げるかと期待しましたが、ちょっと違う展開、相変わらず題名つけが下手な作家だw

いや、誤解しないでください、企業小説として読み応えあります面白いです。分厚い本ですが飽きないのですぐ読めます、ページを捲る手が止まりません。

問題はせっかく貧乏人と御曹司の才覚ある若者が育っていくまでを描き、さあ戦いだ!と期待したら・・・ネタバレは止します。

なにしろこの作品にこの題名はないだろ?って感想です。しかも途中からアキラのひとりあまり出てこないってw

いやいや、違うんです、面白いんですよ。しかし引っかかるのが題名。大したことじゃないか。
思えば半沢直樹の原作『俺達花のバブル組』ってのもふざけた題名だった、気にするところじゃないかもだけど、ぼくはそういう粘着質の人間なのです。

大相撲名古屋場所

が始まりました。
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稀勢の里はやはり怪我が響いて調子悪そうです、心配ですね。
新大関高安も初日こそ不覚を取ったもののさほど調子は悪くなさそうです、大いに暴れてほしいものです。
宇良や嘉風も好調だし、正代も相変わらずセンスの良い身のこなししてるし、楽しめそうです。

4日目(水曜)には将棋の藤井聡太四段が客席に現れてちょっと騒然となってる様子が面白かった、お客がみんな土俵見てないんだもんw
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さて、それにしてもすでに怪我による休場力士が複数出てますが、稀勢の里もあるいは途中休場ありえますが、休場しない力士にしたって手足のどこかしらにサポータを巻いてたり生傷の絶えない競技であるのはいまさら言うまでもないですが、それにしても怪我が多すぎやしないか?ってことです。

年間六場所の本割の合間には地方巡業がびっしり詰まっていて傷を癒やす間もないってことなのでしょうが、このままでよいのか?稀勢の里にしたって傷を完治させて実力を見せて欲しいとはだれでも思うでしょ。

休めば地位が落ちていくのは仕方ないでしょうが、年間の行事をもう少し減らせないのだろうかと素朴に感じます。
怪我で実力が出せないって、とても残念です。
行事を減らせば収入も経るのでしょうが、目先の利益より長期的視野で力士のコンディションを考えて戦略的な興行を組んでもいいのではないかと素人ながら思ってしまいます。

もちろんそんなことは長年携わっている人達が考えた上で今の形なのだろうけど、多少の無理を通さなきゃいけない部分もあろうけど、あのサポータだらけの力士の姿ってぼくはあまり気分がイイものではないので。

大相撲の将来行く末を憂うのも相撲ファンの楽しみだったりするんですが。

『天保悪党伝』藤沢周平

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内容(「BOOK」データベースより)
天保年間の江戸の町に、極めつきのワルだが、憎めぬ連中がいた。博打好きの御家人・片岡直次郎、辻斬りで財布を奪う金子市之丞、抜け荷の常習犯・森田屋清蔵、元料理人の悪党・丑松、ゆすりの大名人として知られた河内山宗俊、そして吉原の花魁・三千歳。ひょんなきっかけで知り合った彼らが、大胆にも挑んだ悪事とは…。世話講談「天保六花撰」に材を得た痛快無比の連作長編。



すっかり書評から遠ざかってましたが、相変わらず読書はしてます。ただ以前に比べ再読が激増してするとブログに書くまでもないかってことで。
新しい本をドキドキしながら読むよりも中身の分かってる再読を楽しむなんて、ますます老人化しておりますw

さて、最近SFに偏りすぎた感のある読書ですがそんな中でこういう古臭い作品を読むと逆に新鮮で、肉食べ放題のさなかに生野菜を摂るみたいな。藤沢周平は時々読んでましたがこの本はまた藤沢っぽくない味わいがあります。なにせ悪人が主役だなんて。

「たそがれ清兵衛」や「武士の一分」など、地味で清廉な侍が主人公ってイメージが強かったのに、ギャンブルにハマった料理人とかどっちかというと我々凡人に近い人を情感たっぷりに描いてます。

それぞれ主役の違う連作短編だけどそれなりのつながりがあってオムニバス短編っていう感じかな、情景描写とともにさらりと描く人間が心地よいです。

考えてみると、吉川英治や池波正太郎などが若者向けだとしたら藤沢周平はおっさん向けなのかも。すごくしっくりと収まりが良いというか。

実生活に疲れたらこういう癒し系の作品も読んだらいかがかと。お薦めです。

好事魔多し

【好事魔多し】
良いことには邪魔が入りやすいものだから、良いことがあったからといって有頂天になってはいけないという戒めの意を含む。


今までの経験からぼくは上記の故事を常に胸に抱いてます。
順調なとき、良すぎるとき、ひどい惨事が起こりやすい、と。
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都民ファーストは都議会127議席のうち49議席を獲得し、公明党など小池百合子知事の支持勢力で過半数の圧勝をおさめた。その勝因は、小池人気にあやかったとも、自民党の自爆の結果とも分析されている。投票率は51.27%で、前回の43.50%を大幅に上回った。


なんだか郵政選挙の小泉チルドレンとか大坂維新の橋下チルドレンとか思い起こすにはいられませんね。

最近の選挙ってどうして極端な結果が出やすいのだろう?これもネットの影響あるのかな?

さて、あくまで個人的な見解ですが、ぼくはこの結果は破滅の始まりなんじゃないかと思っています。
「先のことはいいんだよ」
と考えるならもはや言うことはないですが、都民にとってはそうではないでしょう、しっぺ返しが待っているんじゃないか。

理由は、小池都知事は政局や選挙は得意ですが、実際の行政手腕は疑わしい、ということです。

とはいっても都議会議員の実際の仕事ぶり知らないけど、さほどの影響は無いのかもしれない、少なくとも埼玉県議会はあるんだか無いんだかわからない組織だしね。

まあ、他所の自治体の話なわけで、余計なお世話ですか。

藤井くんさらに快進撃!

遂に30年ぶりに連勝記録を更新しましたね、藤井くん。今朝の新聞では1面に報じられました。
14歳でこんな記録を打ち立てるとは、いやはや驚くしかないです。「ドカベン」で山田太郎が打率8割って感じの出来事です、もはやマンガですw

だがしかし、これが一過性のブームで終わることだってありうるのです。
今まで28連勝の記録を持っていた神谷8段は実際その後の活躍はパッとせず、タイトル戦で名前を聞くこともなく棋士人生をほぼ過ごしてしまったのです。連勝記録を持っているからといって単純に強いってわけではないのです。

さらには藤井くんは今までC級棋士相手でしたが、勝ち進んだ今後はA級棋士との対局が飛躍的に増えるでしょう、A級棋士ってのは一筋縄じゃ済みませんよ。あらゆる方法を駆使して勝をもぎ取りにきます、勝つということに強いこだわりを持つがゆえにA級棋士に居座ってるわけですから。

とはいえ今まで戦ったC級棋士だって昨日の増田くんのように将来A級が間違いないと言われる強敵はいるし、そもそもプロ将棋棋士に弱い人はいないわけで。ここまでピンチも乗り越えての29連勝だったことを鑑みるとやはり尋常じゃない記録なのは肯えるのですが。

他の棋士が言うように「ミスをしない」という特徴を持っているならば、藤井くんは人工知能に近づいた人類なのかも。
人類に近づけようと日々開発されている人工知能に逆に近づいていくというのも面白い話で、分析する余地の高い分野かもしれません。

いずれにしろ絶対負けない人間はいないわけで、1敗して連勝記録が途切れてからが藤井くんの真価が問われるのではないかと思います。

藤井聡太四段の快進撃

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藤井聡太四段は15日、大阪市福島区の関西将棋会館で行われた順位戦C級2組で瀬川晶司五段(47)に午後10時53分、108手で勝利し、自身の持つデビュー以来の公式戦連勝記録を「26」に更新した。全棋士対象の連勝記録としての歴代2位は変わらず、神谷広志八段(56)が1986~87年度につくった「28」まであと2勝に迫った。

元の記事を読む
http://www.yomiuri.co.jp/matome/20170616-OYT8T50006.html?from=tw#csidxfc146f8d674038794ad963290c52151
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将棋の話題がテレビを賑わすのは稀なことです。
なかでも今年に入ってからの藤井聡太の連勝は驚愕のニュースであり、一過性の強さでないのは明らかでしょう。

彼の棋譜を見てみましたがぼくごときでは何がすごいのかわかりません、普通の居飛車戦法としか。
連勝記録をどれだけ伸ばすのか、いや伸ばさなかったとしてもすでに実力は折り紙つき、遠からずタイトル戦で活躍するに違いないでしょう。

ここ数年のA.I将棋の進化によって将棋人気に翳りが差し始めたかと、まあ元々人気のある競技じゃなかったとしても、一番強いのが人工知能って結論付けられたらいささか興ざめなのは如何ともし難いわけで。

そんな中まさに救世主的に出現した14歳。
谷川や羽生でさえここまでの注目は浴びなかったと思うし、それもこれもA.Iの影響は無視できないでしょう、学習法がまるっきり変わっちゃったわけですから。

もしかすると今後の将棋の強さは低年齢化が進み、かつ活躍時期が短期間になるなんてこともありえなくないでしょう。
そんな極端な予想が出てくるくらい14歳少年の破竹の連勝は驚きなのです。

また良くも悪くも人工知能は将棋というゲームを変えてしまったように思います。
なにせA.Iの選択する指し手の良し悪しをトッププロですら解説できない現状、良し悪しの判断が今まで積み上げてきた定跡に準じないってのはどうしようもない。

もちろんA.Iも無敵ではなく時々負けるのですが、そこらへんがわずかな人間の望みなのかな。

いや、以前にも何度も訴えてますが、人間対A.Iという構図自体がナンセンスだと思うし、人間と車のかけっこを考えるようなものだしね。あくまで人間対人間を論じるべきで、事実そのほうが面白いし、藤井くんがポナンザに負けたって大した影響にはならないでしょう。

ところで、卓球やらサッカーやら最近10代のスターが頻出してるのって、「ゆとり世代」が過ぎ去って力をためた本格派が爆発し始めたってことなのですかね?


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